私の中にあるもの 19

裕二が振り返りベッドに膝を付き、こちらににじり寄ってくる。
横座りの私の背中に手を回してキスしながら、ゆっくり押し倒す。軽く舌を絡ませながら、太股に手が添えられて上に持ち上げられると、裕二のそこが私のぬかるみに当てられた。条件反射で体に力が入ってしまう。
ゆっくりと挿入されているのに、痛みがあった。指での愛撫や、フェラの間に潤っていたはずなのに、受け入れた裕二のそれは内壁と摩擦して軋んでいる。痛感と性感が逆のベクトルでしかない私には、ぎちぎちと必要以上に擦れる感触を覚えるとたちまちそれまでの気持ちよさが遠のいてしまった。
痛みを耐えるために閉じていた瞼を開けると、裕二が私を見下ろしていた。
「理絵。」
名前を呼ぶその声と表情に常には見られない艶を見いだすと、体の中心に生じた痛みが薄れた。裕二が腰を動かし始めた。まだ穏やかな動きだったが、一時落ち着きかけていた異物感が大きくなる。耐えられないほどのものではないが、決して好んで味わいたいものではなかった。
裕二の動きが激しくなると、堪えきれなかった声が時々口をついた。
指で触られていたときの声とは質が異なっていたが、きっと裕二には同じものに聞こえているはずだ。
「もう出る」
弾む息の隙間から聞こえたかすれた声に私は裕二の首の手を伸ばす。
「うん。」
裕二が顔を落として触れるだけのキスをこぼすと、私の方を両手で押さえて上体を起こした。
「行くよ。」
その言葉を合図に今までで一番早く深く挿出が繰り返された。本当なら快楽の声を上げるべきところで、私は痛みを堪えるために歯を食いしばり、それでも薄目を開けて裕二の表情を見ていた。
大きく吐き出される息と揺れる前髪に潜めた眉。その下で私を見ている潤んだ目が暗がりの中、動きにあわせて微かな光を反射させている。
どんどん激しくなる動きに早く終わってほしいと願ったとき、裕二のものがびくんと大きく波打ったのを感じた。裕二は目をつぶっていて、さっき確認できた反射光が今は見えなかった。
胸に溜まっていた空気を全て吐き出すような深い息をして、裕二は私に被さってきた。私をぎゅっと抱きしめて、顔を枕に埋めた。
「よかった」
その声色に裕二のものがまだ納められたそこが反応する。
裕二の背中に回した腕に力を込めると、裕二が上体をほんの少し起こして、キスする直前というくらいの近さに顔を位置させた。
「理絵は?」
何を問われているのか分からず、声を発することさえできなかった。
「よかった?」
意味が通じていないのが分かったのか、重ねて問われた。滅多に尋ねられることのない内容に、一瞬返答できなかった。
「うん。」
ほんの少しの間があったかもしれないが、不信感を抱かせるほどの間ではないくらいの早さで返事ができたと思った。私の返事を聞いて、裕二の頬が微妙に緩む。
ほっとしたような表情に罪悪感がほんの少し頭をもたげたが、振り払うように裕二の頭を引き寄せてキスをした。

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