私の中にあるもの 23

「ああ・・・」
つい出てしまった声に一人で恥ずかしがるのは、いつもひとりエッチを終えた後だ。今も私は快感の波が引いていくと共に取り戻される冷静な自分が客観的になるほど、さっきまでの自分の行為がみっともないものに思えて仕方なかった。
ずらしていた下着とスエットを元に戻し、今夜は自分の液を指にとってクリトリスを弄ってしまったことを思い、指を鼻に近づけた。
やっぱりにおう・・・。
私の右手はもう濡れてはいなかったが、独特の匂いがまとわりついていた。
洗面所に行き、ハンドソープで丁寧に手を洗い、その匂いを消した。
ベッドに倒れ込むと、また裕二が私の秘密に気付いたかどうかを自然と考え始めていた。思考の占拠率もかなり減ってきていたが、自慰をしてしまった後には必ず、思い至るのだった。それはどうしてもやめられない自分に対しての反省の意味もあったのかもしれない。
裕二がセックスの際に気持ちよかったかどうかを確認するなんてもうずっとなかったのに急に口にしたことがどうしても振り払えなかった。裕二は私が考えているよりもセックスの内容にこだわっているのかもしれない。
裕二は私の口の中で射精することを嫌がった。初めて寝たときこそ口で受け止めたが、それ以降は必ずいきそうになるとフェラチオを中断して、私の中に入ってきた。前戯にしても、何度体を重ねてもなしで済ませされることはなかったが、裕二に長い間撫でられると居心地が悪くて半ば強引に裕二のものをくわえることで彼の手を止めてしまったし、裕二が私のあそこに顔を寄せようとしても拒絶し続けていた。
前の彼氏との行為では私は全く衣服を脱ぐこともなく、相手はたまに気が向いたように胸を触るぐらいでほとんど私の頭や顔を撫でるだけで終わっていたから、自分がしていることと同じことを自分がされることには強い抵抗があった。
でも最近一方的な行為を違和感なく受け入れていた時の方が異常だったのかもしれないと感じ始めていた。手当たり次第に目にしたティーンズラブコミックや官能小説では男の人が手と口で女の子を責めまくってイカせていた。最初はフィクションと特に気にもしてなかったが、そのフィクションの中に入り浸っている内に現実にあり得るのかもしれないと感じるようにもなっていた。
それでも、裕二の愛撫に体を任せきってしまうことはできずに今までと変わらないセックスに安心していた。それはもう私にとってはごく当たり前の反応だったし、ひとりエッチの後に指に残る自分の匂いを裕二に嗅がせたくもなかった。何よりも裕二の前でもし漫画に出てくる彼女達のような前後不覚の状態になってしまったらその後どんな顔をすればいいのか、想像するだけで恐ろしくなった。

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