私の中にあるもの 24

「いくよ。」
私の膝裏を抱えて、裕二は激しく突き上げてきた。軽い痛みから気を逸らすために私は裕二の顔を見つめていた。何かを堪えるように眉を潜め、少し開いた唇からはと荒い息に混じって「くっ・・・」と声が漏れてきた。
あの違和感を感じた夜から数えて裕二とのセックスは今夜で3回目だった。あの夜以来、裕二の仕草には特におかしなところはなく、私もこれまでと変わりない行為に躊躇いはなかった。
ただ、裕二の職場で突然の退職者がでたとかで先週から夜勤の回数が増え、自動的に一人で過ごす夜が続くと、次第にひとりエッチも欠かすことのできないものになっていった。
自分で高めていく要領が掴めたのか、すぐに快感を得られるようになったし、一晩に一度の到達では我慢できずに再度弄ってしまうこともあった。快楽の追求には底知れない魅力が潜んでいてそれに抗うことができずにいた。
自分の中にある性欲の強さを徐々に自覚し順応していくのに反して、そういう自分は隠蔽しておかなくてはという脅迫観念も強まっていった。
射精を終えた裕二の唇が私の唇を覆った。合わせるだけの口づけを交わしながら、裕二は両腕で私を抱きしめた。合わさった胸から伝わってくる鼓動はまだ早く、うっすら汗ばんだ肌も熱をもっているのが分かる。
私も腕を伸ばして裕二の体に更に密着してみた。
終わった後にお互いの温もりをもう一度確認するように抱き合っている時間だけは自分の中に淀んでいる不安が消失したと勘違いしてしまうほど、穏やかになれた。
しばらく抱き合った後、裕二は自分を私の中から引きずり出した。後始末をするとすぐに布団の上に横になり、着衣を終えてベッドに腰かけていた私を引き寄せた。いつもなら一旦ベッドから出て水分補給するのが慣例になっていたが、裕二の腕の力に任せて横たわると、すっぽりと裕二の腕の中に収まってしまった。少し顎をあげて裕二の顔を見ると、瞼が半分下りかけている。
夜勤続きで疲れているのだろう。そっと頬に唇をくっつけると、私の腰に回された裕二の腕の力が強まった。
ぴったりとくっついたまま、裕二はあっという間に寝息を立て始めた。
目の前の寝顔を眺めたまま、私も何か考える間もなく眠りに落ちていった。

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