私の中にあるもの 26

土曜日の朝、裕二は夜勤明けで私と入れ違いにベッドに入ってきた。
宏美と公園で昼食を取った日のように快晴という訳ではなかったが、朝からいい天気でベランダに出ると暖かい風が髪を揺らした。
洗濯物を干してから、なるべく音を立てないようにリビングとキッチンを普段より念入りに掃除した。入念にといっても狭い部屋の掃除はすぐに終わってしまう。
夕食のための買い出しはかなりの量になるので、裕二が車を出してくれることになっている。寝室を覗くと裕二は熟睡しているようだった。夜勤明けはたいがい正午まで寝ているから、買い出しは昼食後になるだろう。
手元の材料で間に合うチョコレートムースを夕食後のデザートに作り、昼食用にうどんの出汁ときつねあげを煮付けた。ムースの器を冷蔵庫に入れ終わり、洗い物を済ませて一息ついた。
裕二が起きてくる時間まで余裕があったので、目的はなかったが、パソコンを立ち上げた。ネットに接続して、お気に入りに登録したいわゆる18禁のウェブ小説サイトを見始めた。
小説でも漫画でもセックスの最中に男の人がいろいろ喋っているけど、これはやっぱりフィクションだからなんだよな、なんて考えていた。昼間ということもあって、かなりきわどい内容を読んでいるのに関わらず妙に冷静だった。
男の人が行為の最中に女の人の体の反応を卑猥な言葉で口にする。それを聞いて女の人は更に乱れていく。実際私もそういうやりとりを夜に一人で目にしていたなら、男の人の意地悪な言葉に体の内部が反応して気持ちが高ぶっていくのは事実だった。
昨夜もまた、ひとりエッチをしてしまっていた。思い出すとはしたないとかみっともないとか自己嫌悪に陥ってしまうのだが、それも一時期悩んでいたときほど深いものではなくなってきていた。
裕二にばれてしまったかもしれないと疑心に苛まされたときは自分の性欲に辟易してしまったが、自分だけの秘密であれば、例え毎日のように自慰をしたとしても、そんなに気に病むことでもないのかもしれないとある意味開き直りの境地になっていた。

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