テーマ:キミとボクの距離

キミと僕の距離 5

恥ずかしさからか、頬を紅潮させた圭吾は、眉をしかめていた。ほんの少し開いた唇や、閉じられた瞼の先にびっしり生えた長い睫毛。見慣れたはずの圭吾の顔のパーツなのに、それが組み合わされて作り上げあれた表情は初めて目にするものだった。 それまでずっと下ばかりに目がいっていて、ことに及んでから初めて確認した圭吾の顔。 形容しがたい感情がこみ上…
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キミと僕の距離 4

微かな動きだったが、自分以外に触らせたことのない圭吾には強すぎる刺激だった。 「う・・・」 「圭吾、見せてよ。」 圭吾はこれ以上ないというくらいに悲壮な表情で菜々美を見つめていた。 テレビでは、まだエロアニメが映っていて、卑猥な音声が流れていたが、二人ともさっきまでそれに集中していたことさえも、もう忘れ去っているようだった。少な…
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キミと僕の距離 3

咄嗟に菜々美は圭吾の腕を振り払い、両手で圭吾の肩を掴んで押した。 「なにすんのよ!」 「キス・・・」 圭吾の目には欲望と同じくらいの怯えが見える。菜々美が怒ってしまったのではないかという不安と、高まってしまったどうしようもない性欲が拮抗していた。 「あたしは自分より背の低いヤツとはキスしない。」 はっきり言うと、圭吾は俯いた。…
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キミと僕の距離 2

圭吾の祖母も加わった夕食はいつもより静かで、菜々美は大好物のコロッケをお代わりすることができなかった。食事が終わると、祖母はすぐに退室した。片付けを手伝ってからリビングのソファーでぐったりしている菜々美に、圭吾はゲームしようよと部屋に誘った。 圭吾の部屋は常に整然としている。恵が掃除しているのかと思っていたが、中学校にあがってからは彼…
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キミとボクの距離 1

菜々美と圭吾は制服で、それぞれ道着と練習着の入った二つのバッグと学生鞄を持って、街頭に照らされた夜道を並んで歩いていた。 「明日も天気良さそうだね。」 「んー、体育祭の練習があるから、面倒だなー。」 「菜々美が体育嫌がるなんてどうしたの?」 「創作ダンスの練習なんてしたくない。」 菜々美が嫌そうに呟くのを聞いて、圭吾は苦笑した…
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